ラピスラズリの海、水平線の彼方

映画や小説、その他好きなものについて語ります。実は理系。

雨に唄えば(Singin' in the Rain)

僕この映画めっちゃ好きなんですよ。

ミュージカル映画の金字塔といえばこれ。

特にジーン・ケリーが雨の中タップ・ダンスを踊るシーンは、映画史の中で燦然と輝く名場面。

(大きな声では言えないが、youtubeで主題歌を検索すると見れます)↓

 

僕がこの映画を初めて観たのは高校生の時だったと思う。

当時は何事にも感化されやすい性格だったから、よく傘を振り回して下手くそなダンスを踊ったものだ。

土砂降りの時でも同じことをして、学校の制服をびしょびしょに濡らして帰ったなあ。

風邪を引くので皆さんにお勧めはしないけれど、中々気分はよかったです。

 

さて、つい先日暇だったのでもう一回見返してみた。

当時とはまた違う発見があって面白かった。

1952年公開のこの映画は、サイレント映画からトーキー映画への過渡期に生きる俳優達の姿を描いている。

世界初のトーキー映画(厳密には異なる)「ジャズ・シンガー」の大ヒットが、ハリウッドにもたらしたトーキーの波。当時トーキー映画に否定的だった人達の手の平返しが面白い。

本当に当時はそんな感じだったんだろうな、と想像できる。

 

話を戻そう。

主人公のドン(ジーン・ケリー)とリナ(ジーン・ヘイゲン)はサイレント映画のドル箱スター。

けれどリナの地声があまりにも甲高く、トーキー映画を撮るとふざけた感じになってしまう。

じゃあどうしよう、というのが大まかなあらすじです。

結局、リナの声を舞台女優のキャシー(デビー・レイノルズ)の声で吹き替えようということになるのだが、僕はこの映画を初めて観たときキャシーに惚れた。

最初ドンに対してツンツンしてたのに、途中からドンにデレデレのヒロインへ。

典型的なツンデレ、これは反則である。

僕はちょろい人間なので、すぐに落ちてしまった。

因みに、僕が思うツンデレ二大巨頭は、この映画のキャシーと、谷崎潤一郎の小説「春琴抄」に出てくる春琴ちゃんです。

春琴かわいいよ春琴。

しかし今見るとジーン・ヘイゲンの演技力に驚く。実は吹き替え前も後も、声はジーン・ヘイゲン本人のものである。

この事実を知った時から、映画でこの女優を目で追わずにいられない、作中の性格最低だけど。

 当然だけどこの映画の俳優陣は皆さん亡くなられている。

デビー・レイノルズも去年亡くなられたそうだ。悲しいなあ...。

 

最後に名ゼリフを。

"This California dew is just a little heavier than usual tonight"

"Really? Where I stand , the sun is shining all over the place"

「今日のカリフォルニアの雨はいつもより少し強いみたい」

「本当?僕には太陽が輝いているように見える」(意訳です)

キャシーと結ばれたドンの幸せな気持ちが伝わってくるよい文章だと思う。

これが、冒頭でお話した名シーンへ繋がっていく訳だ。