ラピスラズリの海、水平線の彼方

映画や小説、その他好きなものについて語ります。実は理系。

街の灯(City Lights)

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今日で連休も終わりか。

ダラダラとHulu で映画だの海外ドラマだのを観ていたらあっという間だったな...。

とりあえず最後に映画の感想でも書いて、少しは生産的な事をしておくとしよう。

 

「街の灯」はチャールズ・チャップリンが監督、脚本、主演を務めている、彼の代表作と言える作品である。

1931年公開の映画ということだけど、流石にここまで古い年代の映画はあまり観たことがない。

僕が観た一番古い映画は「戦艦ポチョムキン」(1925年)だったと思う。大学でロシア史の授業を取ってた時に紹介されたのを観たんだっけな。

僕が生まれる60年以上前の映画を観て感動するって、よく考えたら凄い。

人間の感性って早々変わるもんでもないんだなあ。

 

さて、「街の灯」の内容に話を移します。

まず簡単にあらすじを。

チャップリン演じる主人公は浮浪者の男で、ある日街角で出会った、花売りの娘に恋をする。

娘は盲目で男の姿が見えず、男を紳士な金持ちだと思い込んでいる。

男は紳士の振りをして、娘の為にお金を工面する為、奮闘する。

まあこんな感じです。

 

主要な登場人物は浮浪者の男、盲目の娘、大富豪の男の三人。

大富豪はある日自殺をしたところを男に助けられ、以来行動を共にしている。

しかし大富豪が男を覚えているのは酒で酔っている時だけ。素面に戻ると男を外に叩き出してしまうというめちゃくちゃなキャラクター。

現実ではあり得ない、コメディ映画ならではの設定である。

そう、この映画はコメディなのである!!

「浮浪者」、「盲目」、「自殺」というキーワードを切り出すと、暗い雰囲気を想像してしまうがそうではない。

実際、僕は終始ニヤニヤしながらこの映画を観ていた。

「翳りのあるコメディ映画」とでも言おうか、こういった雰囲気づくりは凄いなと思う。

 

映画を観終わった後、yahoo映画で他の人のレビューを読んでいると、とんでもない意見があった。

「ラストシーンで号泣できる人はその涙もろさが羨ましい。冷静に考えれば、一目惚れした女の気を引こうと金を工面するカス野郎の所業を描いたに過ぎない…」(原文ママ)

これは逆張り前提の、あまりに穿った考察と言わざるを得ない。この人にはラストシーンをもう一度ちゃんと見て欲しい。

ラストで浮浪者の男は、盲目を治療し目が見えるようになった娘に、自分とは関係のない浮浪者だと思われてしまう。(娘は男を金持ちの紳士と思っていた為)

しかし娘が男の手を握った瞬間、今まで自分を助けてくれた男だと気づく。

 

ここで重要なのは、男が一連の流れの中で正体は自分だと一度も言っていない事だ。

気づかれないならそれで良いと、引き下がろうとしていたのである。

「一目惚れした女の気を引こう」という気持ちが真っ先に来ていれば、すぐに名乗り出ているはずだ。

この作品の根底にあるのは、浮浪者の男の「無償の愛」である。

自殺志願者を助けたのもその表れだ。

それをカス野郎とは、あんまりな言い方だと思う。

 

ふう、そろそろ書くの疲れたな...。

まあとにかく良い映画でした。

よかったらみてみてください。(おわり)